hmd_tarakoのブログ

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チョコダン2の話

これはホシハウス Advent Calendar 2021 - Adventar17日目の記事です。17日目担当のたらこ@hmd_tarakoです。

昨日はいんげんくんの仲良くなったアイドルの話(後編)でした。

僕はシャニマス未履修で、キャラクター名から顔を思い出せる程度の知識ですがキャラクター描写が丁寧というのを伺っています。いんげんくんの感情表現たっぷりの文章は読むと楽しいですね。

さて、「チョコダン2」こと『チョコボの不思議なダンジョン2』の話がしたいなあと思ったので、紹介します。これは不思議なダンジョン2の話の続きの記事です。

内容は不思議のダンジョンポケモンならやったことあるよ、ぐらいの人向けかな?前半/後半に分けたのにこの記事だけで8000字弱になりました。オタクは喋るとたくさん喋る。

前回のあらすじ

不思議のダンジョンってどんなゲームだっけ

不思議のダンジョンはアイテムの引きと罠や敵との遭遇の運に左右されるその場その時の二度とない*1状況を知識と知恵でなんとかして進んでいくゲームです。

チョコボの不思議なダンジョン

「2」の前に初代のチョコボの不思議なダンジョンの話を少し。

ファイナルファンタジー』シリーズの戦闘システムの一つにATB(アクティブタイムバトル)というのがあります。詳しくは知りませんがFF4あたりのシステムなのかな。

初代『チョコボの不思議なダンジョン』はこのATB不思議のダンジョンのシステムを掛け合わせようとしたもので、移動は不思議のダンジョン制のターン制御、攻撃はATB用のゲージがリアルタイムで溜まったら、というものでした。なかなか大胆なシステムで、敵のゲージの減らし方を知ると一方的に殴れる状況を作れるようになってしまいます。悪く言えば抜け穴が多い。

あと、ストーリーに「2」との繋がりはほとんどありません。主人公チョコボと相棒のモーグリが一緒に冒険している、という点だけ共通するはず。そもそもストーリーらしいストーリーが少ない。

あとダンジョンも種類が少なく、30F, 60F, 9999Fの3種。ゲームが進行すると浅いダンジョンには入れなくなる。

初代はかなり挑戦的なシステムだったので個人的にはオススメしにくい。

チョコボの不思議なダンジョン2

まずSQUARE ENIXのゲームの紹介ページを貼りつつ。『チョコボの不思議なダンジョン2』は1998年発売のPlayStation用ゲーム。

システム

不思議のダンジョンとして

マス目マップでできたダンジョンを8方向に移動し、HPが0にならないように奥の階へと進んでいくのが基本。

ダンジョンはダンジョンに入るたびに地形・アイテム・敵の構造が毎回ランダムに変わり、アイテムを集め敵を倒し力尽きないことを忘れずに奥へ奥へと進んでいきます。

レベル

敵を倒すと経験値が手に入り、一定の経験値が累積するとレベルが上ってチョコボのステータスが上がる。

風来のシレンなどの不思議のダンジョンではダンジョンから出る度にレベルが1になるが、チョコボの不思議なダンジョンは基本的にレベル引き継ぎ。ストーリークリア後に出てくるチョコボ以外のキャラで行くことになる4つのダンジョンは毎回レベル1からになっている。

ATB

ATB(アクティブタイムバトル)のゲージが初代のリアルタイム制からターン制に調整されて良い感じになった。大体の敵は1ターンで攻撃してきて、一部の敵の特殊行動が長い詠唱という感じ。死神とか…

装備品

不思議のダンジョンには装備品があります。作品によって多少異なりますが、武器と防具と装飾品の3種がよくあります。

チョコボの不思議なダンジョン(以下「チョコダン」)の武器は「ツメ」、防具は「クラ」、装飾品は「首輪」です。

ポケモン不思議のダンジョン(以下「ポケダン」)では武器・防具はぴったり対応するものはありませんが近いものでいえば技、装飾品についてはもちものの内のスカーフやメガネが当てはまりますね。

チョコダンではツメ・クラ・首輪を1つずつまで装備してダンジョンを進みます。そしてチョコダン2にはツメ・クラに耐久度の概念があります。使い続けると壊れる仕組みです。武器・防具の合成システムがあり、ダンジョン内外の「かまど」という施設を使います。

合成によってより強力な武器・防具を生成して敵との戦闘を有利にします。

元気度

シレンポケダンの空腹度はチョコダンでは元気度となっています。実・タネ・薬を食べるとわずかに元気になり、最も元気になるのは「ラサンの実*2」。

チョコダンはFFの世界なので魔法があります。チョコボは本を読むことで魔法が使えます。ファイア・ブリザド・サンダー・エアロ・クエイク・ドレインの6種の専用の本と、それ以外の様々な魔法が使える小難しい・難しい・超難しいの3種の本があります。なんとこれらの本、同種なら99冊まで束ねて持てる。

敵を攻撃するのはもちろん、ダンジョン内のたいまつや発電機を作動させたり、かまどを使うためや、ダンジョンに出現する魔法で封印された宝箱を開けるのにも必要。持てるだけ持ちたいが所持欄も圧迫する。

ハネ

チョコボのステータスが恒久的に上がるパッシブなものと、消費して召喚獣を呼び出すものがある。専用のリストに保持されて持ち物欄は圧迫せず、同種は1枚のみ同時に持てる。

召喚獣の呼び出しは元気を消費することで仲間として呼び出して1フロアの間後ろに同行させられる。

ストーリー進行のイベントで入手する他には、耐久度を減らしてツメ・クラを壊して手に入れることになる。レアなハネはレアなツメ・クラを壊す必要が…

その他

シレンの巻物、ポケダンのたまに相当するカードがあったり、蹴って使う石や召喚獣を呼び出して範囲攻撃してもらう召喚石があったり、ハムスターを呼び出すホイッスルがあったり、敵から採ったエキスがあったり…

2人プレイ

不思議のダンジョンにおける他プレイヤーとの協力プレイとして救助システムがありますが、一画面で複数人がプレイできる不思議のダンジョン*3って僕はチョコダン以外には知らないです。

普段は後ろをついていく仲間キャラクターを2Pコントローラーで操作できます。色々制限はありますが、動き的には∞倍速1回攻撃って感じの動かし方になります。

ハネで呼び出しだ召喚獣も2Pで操作できます。

バグ

ぶっちゃけこれの話をするのがチョコダン2の話を書こうと思ったきっかけ。プログラム覚えて仕事でも書くようになると、昔見たゲームのバグの仕組みとかが理解できるので振り返ると興味深い。

チョコダン2にも大なり小なりいくつがバグがあって、チョコダン2でググるとすぐに出てくるバグが2つあるので、語りたい。

弱くなる召喚獣

ハネで呼び出してついてくる召喚獣チョコボのレベルが高くなるほど強くなる。ところが一部の召喚獣が特定のレベルを境に極端に弱くなる。

具体的にはアスラとバハムートとオーディーンが極端に弱くなる。アスラが一番強かったけど、アスラは一番早く(チョコボLv74)で弱くなる。

強さがオーバーフローしてます……色んな要素を組み合わせてではなく、単純にレベル上げたらオーバーフローするの!?

余談だけど死神というHP・攻撃力ともに非常に高い強力な敵モンスター*4がいて、こいつにいのちの実*5をぶつけるとHPが負になり次に与えたダメージで倒せる。お前もか。

耐久度0バグ

チョコダン2で最も深刻で影響が大きく徐々に発生条件が進行する上復旧できないバグ。

ツメやクラは耐久度が0になると壊れ、条件を満たしていると確率でハネになる。耐久度が0になると壊れるので「耐久度0のツメ・クラ」は存在しないはずなのだが…

条件を満たすと突然手持ちのツメ・クラの耐久度やその他の数値がおかしくなるようになる。その際に耐久度が0になることがあるため「耐久度0バグ」と呼ばれている。この状態でゲームを進行するとフリーズなどを引き起こす。

手順を大まかに言うと「設計上想定されてない方法で手持ちからツメ・クラをなくすことを繰り返す」。

1つの装備品には付加された能力や耐久度など種々の情報が紐付いている。チョコダン2では「手持ちの装備品」用と「床に落ちている装備品」用にそれぞれ装備品情報を溜めるメモリ領域があって、「手持ちの装備品」用には60個近く準備されているらしい。

「床に置く」「合成する」はメモリから消去される想定された方法だけども、

  • リサイクルボックスに入れる
  • 遠投や飛ばした先がアイテムでいっぱい、床がないなどで消滅
  • 飛ばしたツメ・クラが敵モンスターに命中して消滅
  • 泥棒系モンスター*6に盗まれたままフロアを進む

といった方法が想定されていないらしく、こういった行為で装備品が消滅するとメモリから消去されず再利用もできなくなるゴミが残る。このメモリ領域の状態はセーブした時にも保存されたままなので、ゲームの再読み込みでも解放されない。

ゴミで「手持ちの装備品」メモリ領域がいっぱいになると新規に手に入れた装備品情報が保持できなくなる。通常装備品を拾うと「床に落ちている装備品」領域から「手持ちの装備品」領域に装備品情報が移動するはずが、「手持ちの装備品」領域に移動できないまま「床に落ちている装備品」領域を参照したままになり、そのままフロアを移動すると「床に落ちている装備品」領域をリセットするため不正な装備品情報への参照が発生する、という流れらしい。これも一種のオーバーフローか。

  • ツメ・クラをリサイクルボックスに入れない
  • ツメ・クラを蹴飛ばさない
  • ツメ・クラを盗まれたら地の果てまででも追いかけてとどめを刺す

あたりを徹底すれば回避できる。とはいえ、余った装備品は別アイテムに変換したり敵にぶつけてダメージ源にしたりしたいもので、それらが仕様外の理由で制限されるので不便ではある。

ストーリー

良くない話はここまでにして……

不思議のダンジョンRPG的な要素を絡めやすいからか、盛り込むやつは盛り込んでる。チョコダンも初代はかなりボリュームの少ないストーリーだったけども、「2」はきちんとお話がある。

パッケージを見てもらうとチョコボが悲しい顔をしてますが、理由はストーリーで語られます。パッケージからこんなのでいいのか?まあそういうストーリーだから仕方ないか……ストーリーで何箇所か入るムービーシーンでこの悲しい顔は見ることができます。

お話としては旅するチョコボモーグリがお宝目当て*7で入ったダンジョンであれこれしてたら白魔道士の少女シロマと出会い…という始まり。話が進むと「おっ、世界がヤバいな」となるので、悪い奴をしばきに行ってなんとかします。

人間はシロマと、あとはシドしか出てこないんじゃなかったかな。モンスターが住む村を拠点にしてストーリーが進みます。

最後のダンジョンのラスボス

ストーリークリア後に行ける一番深いダンジョンの隠しボスはメタいネタで出来上がっており、

ネタバレ要素ではあるので折りたたみ ストーリーにも仲間として呼ぶ召喚獣にも一切出てこなかったリヴァイアさんが最後のダンジョンのボスとして出てくる。初代では召喚石で呼べる味方召喚獣で、FF本編などでも活躍するキャラだったのになぜボスなのか?

どうやら「ハネで召喚獣を呼んで後ろについてくるシステム」ができた一方でリヴァイアさんは一緒に歩けないからボスにされてしまったらしい。

戦闘前には「なんでわしがボスなんじゃぁ……」「そんなにわしがついてあるくのが、いやなんかぁ……」とか言うし、倒すと「なんで、なんでワシが~~~」と消えていく。

音楽

今作では『チョコボのテーマ』を聞く場面はそんなにないらしい。少なくともオープニングでは聞ける。

好きなBGMを挙げるなら『お宝さがし!』かな。それ以外も良い*8。ボス戦もしっかりしてる。人気なのは『シロマのテーマ』らしい。

難易度

メインストーリーは小学生の頃の僕がクリアできるぐらい。レベルリセットが無く、装備の合成が高頻度で行えるのはストーリークリアの難易度を下げてくれてる。クリア後ダンジョンはちゃんと難しい、と思う。実は一番深いダンジョンでも30Fまでなので他の不思議のダンジョンと比べると全体のボリュームは少なめ。比較的お手軽なのもオススメポイント。

今プレイするには?

SQUARE ENIXの紹介ページを見た感じPS1の他にはゲームアーカイブスでプレイできます。PSPPS3・PS Vitaのゲームアーカイブスなら628円。一瞬PSVって…PS5でゲームアーカイブスできるんだっけ!?と思ってしまった。SONY系も任天堂系も最新プラットフォームに過去作プレイ環境が充実してくれるとおじさんにはうれしいんだけどね。

なんと!先ほど紹介したバグはそのままゲームアーカイブスに移植されています。

スクウェア・エニックス サポートセンター

耐久度0バグさえ回避すればとても良いゲームだと思います(思い出補正含む)。

シリーズ最新作

チョコボの不思議なダンジョン』『チョコボ』『不思議のダンジョン』の最新作も紹介しておこう。最新作が一番環境的に遊びやすいしね。

チョコボの不思議なダンジョン』シリーズ

チョコボの不思議なダンジョン」シリーズの最新作はPS4Nintendo Switchで発売されている『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』です。『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』をベースにしたリメイクらしいですがどちらも僕はまだプレイしてません!

チョコボ』シリーズ

執筆時点のシリーズ最新作は『エブリバディ!』ですが、本記事の前記事でも触れた『チョコボレーシング』の続編『チョコボGP(グランプリ)』の発売が決まっています。先日発売日が2022年3月10日に決まったそうです。

大雑把に言うとマリオカートみたいにアイテムを使うカーレースゲームです。というかPV見ると『レーシング』に比べてかなりマリオカート感が増してるな……

マリオカートはキャラの差が重さ程度しかありませんが、チョコボGPはキャラ毎に異なる特技が使えます。なんとなく初代マリオカートでCPUだけが使ってくるアイテムを思い出す。

不思議のダンジョン』シリーズ

不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス』(Switch/Steam)が2020年発売で最新作。「5」自体は2010年にDSで発売されたけどそれをベースにリメイクした作品。

使いやすい親切システムが多くダンジョンも種類豊富でかなり遊びやすいと思う。あと、動画配信プレイを想定したステータス・所持品・プレイ時間を常時表示するUIモードが配信に関係なく便利。

Steam版もあるのでSwitchを持ってなくてもプレイできます。救助システムはSwitchとSteam間でも使えるのでSwitch版の僕と救助し合ったりもできます。誰かやりますか?ちなみに僕はまだストーリークリアしてからちょっとやったぐらい……

おわりに

不思議のダンジョン』がめっちゃ得意って程ではないけどもホシハウスメンバーの中なら一番やってるかな?と思い、この機会に紹介してしまおうと記事にしました。

そんなゲームあるんだねー、とか興味深いバグだねーとか思ってくれたらいいな。読んでいただきありがとうございました。

アドベントカレンダー次回予告

明日はあーさーくんの「読書習慣をつけたかった」です。僕は全く本を読みません! 読むべき本は手元にあるので、まとまった時間ができるのを待たずに読みたい所。あーさーくんはどのような状況でしょうか?タイトルからするとうまく行ってなさそうにも見えますが……楽しみです。

*1:二度とない:乱数的にはある。もっと言うと救助システムとかは同じ乱数の種を意図的に使ってるのでアイテムと敵の初期配置まで同じダンジョンが、二度でも三度でもある。

*2:ラサンの実:FFの世界でどういう存在なのか知らない。ギサールの野菜みたいなものだろうか?

*3:複数人がプレイできる不思議のダンジョン:最新作の『エブリバディ!』はオンラインで2人プレイができるという噂。探せば他シリーズにもあるかもしれないけど知らない。

*4:強力な敵モンスター:シレンでいう店主、ポケダンでいうカクレオンに相当。

*5:いのちの実:チョコボが食べると最大HPを1加算、敵にぶつけるとHP2倍

*6:泥棒系モンスター:シーフ種という系統のモンスターが所持品を盗んでくる。倒すと取り返せる。

*7:お宝目当て:お宝を目当てにしてるのはモーグリだけでチョコボモーグリに食べ物で釣られている。

*8:それ以外も良い:BGMが良くないゲームを探すのは難しい。